動画配信プラットフォームBrightcove、Bending Spoonsに350億円で買収へ
動画配信プラットフォームBrightcove、Bending Spoonsに350億円で買収へ・・・Evernoteなどを傘下
https://media-innovation.jp/article/2024/12/05/142004.html
企業向け動画配信プラットフォームのBrightcoveが、イタリアのテクノロジー企業Bending Spoonsに約233百万ドル(約350億円)での買収に合意したことを発表しました。
買収はBrightcoveの株主に1株あたり4.45ドルを現金で支払う形で行われ、これは直近60日間の出来高加重平均株価に対して90%のプレミアムとなります。
2004年にボストンで創業したBrightcoveは、マリオットホテルズやフォード、ジョンソン&ジョンソンなどを顧客に持つ動画配信技術のパイオニアです。「創業から20年、そのうち12年を上場企業として過ごしてきました。初期の動画プレーヤー技術から、現在の動画によるエンゲージメントプラットフォームまで、私たちは常に市場のイノベーターでした」とCEOのMarc DeBevoise氏は振り返ります。
しかし、上場後の業績は苦戦が続いています。直近の決算では売上高が前年比2%減少し、純損失は22%拡大。時価総額も今年初めには過去最低の7,200万ドルまで落ち込み、その後12ヶ月高値の1億4,300万ドルまで回復したものの、2012年の上場時(1株11ドル)の評価を大きく下回る状況が続いていました。
一方の買収側であるBending Spoonsは、近年積極的なM&Aで存在感を増しているテック企業です。元々はアプリ開発会社として成功を収めましたが、近年ではEvernote、Issuu、Meetup、StreamYard、Splice、WeTransferなど著名なサービスを次々と傘下に収め、そのアプリは月間2億人以上のユーザーを抱えています。
Bending SpoonsのCEO、Luca Ferrari氏も「Brightcoveはストリーミング技術分野で信頼され、尊敬される存在です。大規模なグローバル顧客基盤にサービスを提供できることを楽しみにしています」と述べ、「現在のチームの優れた仕事を基盤として、Brightcoveが今後も長年にわたって繁栄することを確実にしていきたい」と意欲を示しています。
企業向け動画配信市場は、コロナ禍でのリモートワークの普及や、企業のデジタルマーケティング強化を背景に成長が期待される分野です。しかし、AWSやMicrosoft、Googleなど大手クラウド事業者との競争も激しく、独立系プレイヤーにとっては厳しい競争環境が続いています。
Press Release